ひとりではたどり着けなかった場所へ会社を成長させることができました(KEEN株式会社様)

KEEN株式会社
社員数:10名 (2024年9月時点)
業務内容:コミュニティ活性化サービス「KEEN Manager」の開発・提供、コミュニティ運営支援
ビジョン:さまざまな「できない」理由から人々を解放し、世界を変えるムーブメントを作る
住所:東京都渋谷区

コミュニティ活性化サービス「KEEN Manager」を開発・提供するKEEN株式会社
会社の紹介と事業の状況を教えてください
代表取締役 小倉一葉 様:弊社は2019年の創業以来、コミュニティの立ち上げや運営のご支援を行ってきました。お客様をご支援してきたこれまでの経験と、私自身のコミュニティマネージャーの経験から、コミュニティ活性化ツール「KEEN Manager」を開発・提供しています。

KEEN Managerは、コミュニティデータの分析やクレンジング、可視化を行うことで、コミュニティ参加者のデータベースをチームで効率的に活用できます。さらに、コミュニティを活性化するためのアクション・施策をリコメンドすることで、コミュニティから熱量の高い「スター顧客」を発掘、育成できることが大きな強みです。
これまではIT・ソフトウェア企業様によるユーザーコミュニティ運営でのご利用が中心でしたが、現在は開発者コミュニティとの協業、社員エンゲージメント推進やチェンジマネジメントの手段としての社内コミュニティ運営など、ご活用いただく場面が広がっています。
さらに、2024年夏に「野生のインフルエンサーを発掘する機能」をリリースしました。ソーシャルリスニングの考え方をコミュニティリスニングへと展開し、特定の製品やサービスについてSNSで発信している人、購買への影響力の高い方を発掘することで、アパレル、飲料、化粧品メーカー様などにご活用いただいています。

個人のキャリアや会社の状況を踏まえたフィードバックやアドバイスが、アドバイザー役に期待したいことだった
スタートアップ企業として急成長する過程で、Prodotto/萩原とはどのような関わり方だったのでしょうか?
萩原さんには、私個人のメンターをしていただいた後、弊社のアドバイザーに入っていただきました。メンター期にはビジョンの言語化、事業計画の立て方などを、アドバイザー期にはプロダクト開発と受託事業のバランスを相談したり、プロダクト定義をお手伝いいただいたり、カスタマーチームやBizDevチームとの壁打ちなど、幅広く支援していただきました。
経営者である小倉さんにとって、当時なぜ「メンター」が必要だったのでしょうか?
以前はフリーランスでコミュニティマネージャーをしていましたが、もっと多くのお客様の要望に応えたいという思いから法人化しました。創業後もコミュニティ運営の受託業が中心だったのですが、「プロダクトを作って世の中を変える」というチャレンジをしたいという思いがずっとありました。ですが、黒字経営にこだわるあまり、当時は投資をする勇気が持てずに思い悩んでいたんです。
なかなか一歩を踏み出す勇気が持てず、経営に関する悩みを日記に綴る毎日でした。そんなときに、以前勤めていた会社(日本マイクロソフト)の先輩でもあった萩原さんと、とあるコミュニティをきっかけに再会しました。当時の私は20代から30代になり、出産を控え、ライフステージが大きく変化していく時期でもありました。
会社や事業についての話でありながらも、萩原さんとの会話は、個人のキャリアや精神的な面に寄り添ってくれる印象がありました。突き飛ばすような応援ではなく、道を示してくれるようなイメージですね。私の想いや悩みを話したことをきっかけに、継続的に壁打ち相手になってもらうのが良さそうだと思いました。

Prodotto/萩原に依頼した決め手は何でしたか?
萩原さんは、プロダクト事業の運営や組織開発の経験がありますし、コンサルティング経験もあり、独立・起業もしているので、受託事業とプロダクト事業の両方についての実体験があります。
受託事業を脱して、ソフトウェアプロダクトをつくりたい、スタートアップ企業にしていきたいという私のビジョンに近い経験をしている方でしたし、プロダクト責任者、事業グロース、プロダクトマーケティング、組織開発、マネジメントのむずかしさを経験してきている方だと思ったので、お願いしました。
資金調達を目指す上で経験豊富なVCにはどう見られるのか、お客様となる大企業のマネジメント層は当社と、当社のサービスをどう見るのか。そういったシニアの視点を学びたい、という観点もありました。
特に、当社は法人向け(B2B)ビジネスであることもあり、その観点は重要でした。B2Bビジネスの特性や、スタートアップ企業が法人のお客様に信頼していただくことのリアリティ・温度感について学びたかったこともあります。B2Bビジネスのアドバイザーは貴重な存在だと思います。
他のメンター・コーチやサービスと比較したり、迷うことはありませんでしたか?
以前からnoteでの発信内容を見てその内容や世界観に共感していましたし、周りの方からも口コミを聞くことがありました。話してみるとやわらかい人柄ですし、相談をするとじっくりじっくり話を聞いてくれました。起業家の卵として先輩起業家と壁打ちをすると、あるべき姿を諭されたり、「もっとこうすればいいんじゃない」というフィードバックをもらって終わりがちです。萩原さんはそうではなく、私の中にある言葉にならないモヤモヤを言語化するお手伝いをしてくれました。
当社の状況や「らしさ」を踏まえたアドバイスやフィードバックは、VCや先輩経営者に期待するものではなく、アドバイザーの方に期待すべきことだと思っています。
どこで何をどう相談したらいいか分からないことを、ハイパージェネラリストに全部相談できるのは、私にとって大きかった
Prodottoのサービス(萩原によるメンタリングやアドバイザリーサービス)をどのように活用していますか?
プロダクトをつくるということはどういうことなのか、スタートアップを経営するとはどういうことなのか、さまざまな経験談をお聞きしました。また、おすすめの書籍を教えてもらったり、先輩起業家やマネージャーレベルの方を紹介してもらうこともありました。
プレシードやシード期のスタートアップ起業家にとっては、世の中に情報はたくさんあるけれども、やってみると分からないことがたくさん出てくるものです。例えば、エンジニアさんやデザイナーさんなど私が未経験の職種の方との会話でモヤモヤすることが出てきたりします。こういった、どこで何をどう相談したらいいか分からないことを全部相談できるのが、私にとっては大きかったですね。
また、当社が成長するにつれて、若いマネジメント未経験者が入社し、ミドルマネージャーになっていくことが増えました。そういったマネジメント経験が浅いメンバーに対して、萩原さんの経験やノウハウ、特に、感情面で寄り添う姿勢を学んでほしい思い、チームの相談に乗ってもらったり、メンバーとの1on1をやってもらいました。

Prodottoへ依頼して良かった点を教えてください。
メンタリングを通じて、すべてを自分でイチからやるのではなく、先人の知恵や成功・失敗経験を活かして進めていくべき、という考え方を学びました。また、自分が本当にやりたいことは何なのか真剣に向き合う時間にもなりました。それによって、新しいチャレンジをするからといって必ずしもつらい方向に進む必要はなく、むしろ自分の価値観に合う形で進んでいけばいいと気づくことができ、変化に対する不安や孤独感が払拭されました。
チームとのコミュニケーションの仕方やスタイルを学んだり、KEENの状況や温度感を踏まえたフィードバックをもらえたことはとても心強かったです。どんな風に伝えるとチームが動きやすいのか、KEENらしい経営スタイルやコミュニケーションスタイルはどうあるべきなのか、さまざまなご意見をいただきました。
私はマネジメント経験がないままに起業して経営者になっていく必要があるので、分からないことだらけです。そういう状況で傾聴してくれて、なんだかんだと何でもやってくれる、何にでもなれるハイパージェネラリストが横で伴走してくれているのは、とても心強く感じました。
具体的な成果や印象に残っていることがあれば教えてください。
Prodottoさんのサービスは、コーチング、ティーチング、メンタリングが良い意味でミックスしていると思います。豊富な経験をもとに、私のさまざまな悩みに名前をつけてくれることで、この部分を考えればいいのかという解決の方向性が見えてくることが何度かあり、助かりました。資本政策の考え方をはじめ、ひとつひとつ萩原さんと議論し歩みを進めることで、自分だけでは到達できなかったところまで会社を成長させることができました。
はじめの頃は、以前いた会社の大先輩であり、オーラというか威圧感を感じてしまう場面もありました。ですが、その経験がベンチャーキャピタリストの方々とのコミュニケーションの練習にもなりました。萩原さんと壁打ちをしたり、フィードバックをもらうためにアウトプットすることで、どんな場面でも緊張しなくなったことも成果の1つだと思っています。

目指す姿はあるものの、どう進めたらいいか分からない経営者にお薦めしたい
Prodottoのサービスはどんな企業、どんな方に合うと思いますか?
当時の私のように、プロダクトをつくりたい、スタートアップ企業を目指していきたいと思っているけれども、どう進めたらいいか分からない経営者の方にお薦めしたいです。私自身が助けられましたし、同じように規模の小さい企業の経営者が一番悩むところをサポートし、適切にあと押しするようなサービスなので、もっと多くの人に知ってもらいたいですね。
シニアメンバーやミドル層が入ってくる前のフェーズなど、経営者がひとりで悩んでいる状況なら、伴走してもらうと効果的だと思います。経歴的に重厚感がありますし、真剣モードだと雰囲気がちょっと重いので身構えてしまうんですけれど(笑)、あの世代の経営者としてはめずらしいくらい傾聴スキルがある方です。とてもやわらかく、チャーミングなところが魅力で、なんでも相談できます。困ったときに相談したいと思える方が伴走してくれていると、経営者としてはとても心強いと思います。
当社へ今後期待すること、要望があれば教えてください
Prodottoさんが提供しているサービス、これから展開されるサービスが、これから世の中にもっと広まるといいなと思っています。
今後期待することは、ミドルマネジメントの視座を上げるようなサービスを提供して欲しいと思っています。ミドルマネジメントの育成や層の薄さは、当社だけでなく、多くの企業が抱える課題です。
コーチングやトレーニングだけではカバーできない部分を、Prodottoさんが持つコミュニティやワークショップなどの手法も含め、直接的なサポートだけでなく、さまざまな形でミドルマネジメント層を育成するようなプログラムがあると、多くの企業や個人にとって役立つと思います。